美味しいカニ(蟹)の選び方

 

初心者向けにタラバガニを解説します

なるほど。いろんなカニがいるんだねえ。
じゃあ、まずは一番有名なタラバガニから詳しく教えてよ。

では、タラバガニから見ていきましょう!

 
和名

タラバガニ

英名

Alaskan King crab

漢字名

鱈場蟹

タラバガニ科

生息域

朝鮮沿岸、日本海、オホーツク海、カムチャッカ、ベーリング海、アラスカ沿岸、カナダ沿岸

水温10度以下の冷たい海域に生息

生息深度

30mから360mあたり。春の産卵期は浅瀬に移動し、夏から秋は深みへ移動する。

語源

タラの漁場で深く沈んだ網に見慣れない大きなカニが発見されたことが「タラバガニ」の始まりで、鱈の生息する海の深海で暮らすカニという意味。

別名

キングクラブ

タラバガニの特徴って?

カニと呼ばれており、形もカニそのものなんですが、実はエビとカニの中間に位置するヤドカリに近い存在。
エビからカニへ進化する途中の、いいとこ取りをしているのかもしれないですね!
具体的な特徴としては4つ。
1.カニは第2触角が短いが、タラバガニは糸状に長い
2.カニはハサミ脚の腕節が短いが、タラバガニは長い
3.カニは脚が4対に見えるが、タラバガニは3対に見える(第4歩脚は存在するが折りたたまれている)
4.カニは左右対称だが、タラバガニは雄の腹部が右側にねじれている

 

カニはどんな生態をしているの

子孫を増やすための交接は春ごろ(4月中旬~5月中旬)。オスとメスがダンスをするように向かい合って、はさみで体を固定。そのまま数日過ごし、メスが脱皮して産卵するタイミングでオスが精子をかける。15cmほどのメスは一度の産卵で18万粒ほど産み、1年間卵を抱いて過ごす。

タラバガニの子どもは10年かけて10cmほどになると性的に成熟する。

とちゅうで捕獲されたりしない限り、寿命はオスが31年、メスが34年と推定されている。

タラバガニの寿命は長く成熟までに時間がかかるのと、幼生時に共食いの危険があるため養殖には向かない。

日本でのタラバガニの歴史って?

タラバガニといえば小林多喜二「蟹工船」である。これは船の上でタラバガニの漁穫から加工して缶詰にするまでを可能とする漁船を舞台にした話。タラバガニの缶詰製造が始まったのは大正時代。アラスカ海域にまで遠征していたが、200カイリ規定が設定されて以来、国内産は激減し、ほとんどがロシアやアラスカからの輸入ものとなっている。

タラバガニの選び方のポイントは?

味の点で優れているのはオス!

 全体的に十分成長している大きな個体を選びたいですね。タラバガニはしっかり身が詰まっているのが特徴ですが、脱皮して間もないものは水っぽいことがあります。殻を押してみて柔らかいものは購入を避けましょう!

 「ゆでガニ」の場合は、凍ったもので重たいものをチョイス。体液の出ているものはやめた方がいいでしょう。

 冷凍ガニの場合は、きちんと温度管理されていて、氷が溶けだしていないものを選びましょう。

 また、タラバガニにそっくりなカニとして「アブラガニ」がいます。偽物騒動になったことがあるほど、素人には見分けがつきにくいものです。足の裏側に色素があるのがタラバガニ。白いのがアブラガニとして見分けましょう!

なるほどー。いいねー。じゃあ、タラバガニの旬の時期は?

年間を通じて美味しいですが、とくに秋から冬がおすすめ!春から夏場は水っぽくなります。これは産卵期に当たり、脱皮することが多いためです。

何でも知ってるねえ!オススメの食べ方は?

蒸して「蒸しガニ」、焼いて「焼きガニ」、グラタンやお寿司、鍋など。

どんな食べ方でも魅力を発揮します。おすすめは旨味と甘味が強くなる「しゃぶしゃぶ」。炭火でじっくり焼くのも最高。

タラバガニは、脚を食べるのがお得で、カニみそはあまり食べられないですね。
 

たくさん買った時の保存方法は?

生の保存は避けるべき。ラップできっちり包んで冷凍庫へ入れましょう。

ゆでたうえで身をほぐし、フリーザーパックにいれるのもよいですね。

缶詰なら比較的安価に安心して身を食べられるのでこちらもおすすめ。

ところでタラバガニの栄養価は?

カニよりもカルシウムと糖質が多め。そのためしっかりした歯ごたえと甘味が楽しめますね。

 

タラバガニの仲間

アブラガニ 
見た目にそっくりで甲羅の幅が20㎝ほどもあり、偽装事件が起きたこともある。
タラバガニよりも脚が細く、長めで、全身が青紫色をしているため、アオガニとも呼ばれる。北海道沿岸にはあまりとれないが、ロシアでとれる。
ハナサキガニ
タラバガニに比べて脚が太く短い。甲羅の幅は15cmほどで、北海道沿岸からオホーツク海、ベーリング海の水深20m~190mの付近に住む。和名のハナサキガニは、根室半島の別名・花咲半島からとられた。旬は夏。缶詰になるのは少なく、色鮮やかにゆでて冷凍した状態で出荷される。少しクセがあるので味噌で煮込んで「鉄砲汁」にすると非常に美味。出荷できるサイズまで成長するのに約8年かかる。
イバラガ二
漢字名は荊蟹。甲羅の幅は20cmほど。房総半島から土佐湾の水深400mから600mに暮らす。一見似ているので、漁業者の中には「タラバガニ」と呼ぶ人もいる。肉は少なめで味もおいしくはない。 
チリイバラガニ
チリ南部からブエノスアイレス沖に広がって暮らす。浅い海から水深200mほどに多い。肉がよくとれ、味もおいしい。 
エゾイバラガニ
漢字では蝦夷荊蟹という。駿河湾からベーリング湾の水深400m、泥の底に暮らす。小さいがバターのような独特の味わい。駿河湾では籠漁が行われている。 
イバラガニモドキ
漢字では荊蟹擬と書く。甲羅の幅は25cmほど。似ているが、五角形に近い。遠州灘や北海道、オホーツク海、ベーリング海、カナダ沿岸にすむ。さほどおいしくはない。
イガグリガニ
漢字では毬栗蟹と書く。甲羅の幅は10cmほど。甲羅から足まで棘に覆われている。東京湾から九州の水深180~400m付近に暮らす。あまりおいしくはない。